アルミ版の研磨を探る


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ゼネフェルダーの肖像
Aloys Senefelder
リトグラフ (Lithoguruph) の「Litho」は「石」を現すギリシャ語の「Lithos」
が語源ですが 19世紀にゼネフェルダ−が技法を考案して以来 20世紀中
頃に至るまで、その名の通り石を版材にして作られて来ました。
 
       
      しかし石版石がドイツのケルンハイムという地域で採れるジュラ紀の
地層の物に限られることや、石の重さ、価格、手間など種々の問題に
よって、日本では第2次世界大戦後ジンク版、アルミ版へと版材が移
行し、現在ではアルミ版を使うのが主流となっています。
   
  古いローラーの図      
                       
しかしこれらの版も、もともと印刷用の版を代用するアイディアから始まったもので
手描きのリトグラフの微妙なニュアンスを再現できるようなよい版ではありませんで
した。

工房でもいろいろ試して来た結果アルミ版の研磨の状態がよいリトグラフを作る上で
とても大切だということを実感し日々研究を続けています。
         
古いプレス機の図  
最近はデジタル化の波に押されて、多くの版画材料が製造中止になったり輸入されな
くなって、画材の数が少なくなったりしているのですが、手描きリトグラフ用のアル
ミ版も同じように非常に厳しい状況です。
 
またリトグラフというと「石」を使った作品のほうが素晴らしいというような神話も
根強くあるのが現実です。
しかし丁寧にコンディションを考えて研摩されたアルミ版は石と同様もしくは質の悪
い石よりは遥かによい表現が可能です。

確かに厚みのある石に絵を描いていくのはとても気持ちの良いもので、神話の出所も
そんなところではないでしょうか。
 
                       
前置きが長くなりましたがアルミ版の研磨がどんなふうに行われているか普段見る機会も少ないと思いますので、いつも
うちの工房が版を研磨していただいている研磨屋さんのご協力を得て、研磨の作業工程の写真を撮らせてもらいました。
  アルミ版研磨機   これがアルミ版の研磨機です。
この機械は釣り下げ式ですが、台が床に
固定されている下置き式のものもありま
す。

直径1.5cm位のビー玉(ガラス玉)がぎっ
しり詰まった箱状の水槽です。
   
     
       
  版を並べる   アルミの板を研磨機の水槽の中に並べて
いきます。
重ならないように置きます。
置いているのは柳田さんです。
       
         
           
  研磨1   研磨機は小刻みな円を描いて
この箱ごと動きます。

適度な量の水と研磨用の砂を
撒いて水槽を動かすとアルミ
の版がしだいに研磨されてい
き表面に砂目がついてきます。
  研磨2  
  研磨3   研磨用の砂は荒いものから細
かいものまで色々あります。

研磨の時間とビー玉の量、水
加減、砂のまき方などで砂メ
の状態が変化します。
  研磨4  
このあと研摩された版を水洗いして、研磨の作業は終わりです。
以前は研磨後の版を酸で洗うバット処理の行程がありましたが、現在では環境汚染の基準が高まった
こともあり、残念ながらこの作業は行われていません。
そんな事情もあるので僕の工房では弱い酸で版を良く洗うことにしています。
版の表面には結構研磨かすがついています。

なお、アルミ版を研磨しているところを取材させていただいたのは葛飾区にある柳田さんです。
アルミ版の研磨に興味のある方はこちらまでご連絡下さい。
YANAGIDA : TEL:03-3695-0275 Mobile:090-4619-2264 E-mail: 柳田メールアドレス